デジカメで料理写真をもっとキレイに撮るには? Lesson4

デジカメで料理写真をもっとキレイに撮るには?

 

 

スマートフォン派におすすめのワザ 

 

日々進化している携帯のカメラ機能。料理の写真も、デジカメではなく携帯のカメラで撮っている、という人も多いはず。そこで今回は携帯の中でもユーザーが増えているスマートフォンを使った撮影のコツをご紹介。iPhoneを使って、定食や汁物を撮ってみました。


iPhone01

よくある定食メニューをiPhoneで撮影。撮る角度や、お皿の並べ方などちょっとしたことに気をつけるだけで、見やすく、おいしそうな写真になります。

こんなふうに撮るには…

 

Point1 スマートフォンが得意な画角を知ろう
 

スマートフォンに内臓されたカメラのレンズは、基本的に広角で撮れるようになっています。
最初の「基本」レッスンでもお伝えしましたが、広角レンズはそのまま料理に寄ると、歪みや、変な遠近感が付いてしまうのが難点。携帯のカメラはズーム機能を使うと画像が粗くなることが多いため、ズームで寄るのもおすすめできません。
この広角レンズを生かすなら、いくつかの料理を一緒に撮ってみましょう。
椅子の上に立つなど、上から見下ろすように撮るのがコツ。こうすることで、お皿が歪んで見えることもなくなります。斜めから撮って今イチだな…と思ったら、上から撮ってみましょう。
この時、全体の配置にも気を配ることも忘れずに。
実際に食べる時のようにご飯や汁物を手前に置くと、メインの存在感が薄れ、つまらない写真になっていまいます。目立たせたいものを手前に。

これが、複数の料理を一緒に撮影する時のルールです。

 

普通の目線のまま撮った状態。
歪みが出て、手前のご飯や汁物が大きく、奥にあるメインは小さくなってしまいます。

撮る高さ、配置を変えてみましょう。

 

 

Point2 ブレに注意、これも大切なこと。
 

薄く、どちらかというと写真を撮るには持ちづらい形状のスマートフォン。デジカメ以上に手ブレには注意したいもの。「基本」の時と同じように、体をテーブルのどこかに固定して撮るようにしましょう。

 

テーブルの上で肘を固定。

上から撮る時のように体を支える物がない時は、両手でスマートフォンをしっかり支え、やさしくシャッターを押すと手ブレが少なくなります。

 

 

ちなみに、普通のデジカメならボディの真ん中に付いているレンズが、スマートフォンの場合はボディの上部の端や、角に付いていることがほとんど。それを頭に入れて、携帯を構えるのがコツです。小さなことですが、レンズが付いている位置も意識することで、フレーミング(写真を切り取る位置)がよりきれいに決まります。 

 

Point3 スマートフォンならでは! レタッチを楽しむ
 

暗くて失敗、何だかおいしそうに写らなかった…なんて料理写真を、みずみずしく蘇らせるワザ、それがレタッチ。パソコンに取り込んで専門ソフトで加工するのが一般的だけれど、スマートフォンなら、専用アプリを使ってその場で簡易なレタッチすることが可能です。
ここでは、iPhone専用アプリ「ごちカメ!」を使ってみました。

 

  アップルストアで販売中、¥85と価格もお手頃。 

 

普通に撮った豚汁の写真。
色みが青っぽく、料理も冷めているため、おいしそうに写りません。

 

 

「ごちカメ」を起動して、先ほど撮った汁物の写真をチョイス。
下に並ぶマークをタップして、画像を調整します。

「鮮やかさ」を増して具材の色をキレイに、「色あい」を黄色っぽく調節して暖かみをプラス。
そして「フォーカスの強さ」で画像の上下をぼかして一眼レフのような奥行きを出しています。

さらに、ほどよい形と濃さの「湯気」を加えてみました。

 

 

最初の写真と比べれば一目瞭然、ほかほかしていておいしそうな豚汁になりました。
料理は作りたてのおいしそうな様子をライブ感いっぱいに撮れるのがベストだけれど、こんなアプリで遊べるのもスマートフォンならでは、です。
Androidには、専用アプリ「めしカメラ」(¥115)があります。

 


【撮影&レクチャー】

柳原久子さん

フォトグラファー。女性誌や書籍、カタログ、ウェブ広告などの撮影で活躍。料理からファッション、ポートレイト撮影まで幅広く手がける。
http://water-fish.co.jp/


※過去の記事はこちら。

Lesson 1 基本の3ポイント

Lesson 2 鍋料理など、大きな一品を写すコツ

Lesson 3 夜の室内でおいしそうに撮るには

Lesson 4 スマートフォン派におすすめのワザ