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“ ル・クルーゼを選ぶには、理由があります ”

福田 順彦さんのインタビュー

フランス料理一筋48年。ル・クルーゼの鍋を使い続ける理由とは


福田 順彦さん インタビュー

一般のご家庭ではもちろん、プロの料理人の皆さまにも愛用されているル・クルーゼの鍋。数ある鍋の中から敢えてル・クルーゼの鍋を選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。


本コラムでは国内外で活躍する一流シェフや料理家の皆さんにル・クルーゼの鍋の魅力や使い方のコツ、そしてル・クルーゼの鍋で作るおすすめメニューのレシピを教えていただきます。


セルリアンタワー東急ホテル総料理長で一般社団法人「日本エスコフィエ協会」の第7代会長も務める福田順彦さん(以下、福田シェフ)にお話を伺いました。

ル・クルーゼには「この鍋なら大丈夫」という安心感がある

長年にわたって日本におけるフレンチのトップシェフとして活躍し、2018年にはフランス食文化の普及に貢献した功績が認められ、フランス共和国政府より「農事功労章―オフィシエ」受章をされました。長年、フランス料理に携わってきた福田シェフから見てフランス料理の魅力はどんなところにあるのでしょうか?


ル・クルーゼには「この鍋なら大丈夫」という安心感がある

福田シェフ:いろいろな魅力がありますが、一番の魅力は伝統を大切にしつつも、常に進化し続けていることではないでしょうか。最近でいうと、シンプルな調理法で食材そのもののうまみを楽しむ料理が人気です。フルコースで前菜からデザートまですべて手の込んだ料理をお出しすると、お客様から「最初から最後まで気が抜けなくて、疲れちゃう」と言われることもあり、フルコースでもどこかに1品、シンプルで気楽な料理を取り入れると喜ばれます。


でも、だからといって伝統的なフランス料理が廃れることはなく、むしろ流行の料理の影響を受けて、さらにブラッシュアップされ進化していくのです。つまり、フランス料理の場合、新と旧の間が一方通行でなく、相互に影響し合っているということです。ちょうどル・クルーゼさんが昔ながらの鋳物ホーロー鍋を大切に作り続けつつ、新しいアイテムを常に発信し続けているのと同じ世界観ですよね。


ありがとうございます。福田シェフはいつごろル・クルーゼの鍋と出会いましたか?また、どのように使うことが多いですか?


福田シェフ:最初に出会ったのがいつだったのか明確に思い出せませんが、ル・クルーゼの鍋は常に厨房にあって、いろいろな場面で使ってきました。今も昔も、フランス料理の料理人には欠かせない鍋の一つではないでしょうか。一度でも使ったことのある方にはお分かりいただけると思うのですが、ル・クルーゼの鍋って不思議な安心感があるんですよ。この鍋なら大丈夫だっていう安心感、信頼があります。厨房で使うだけでなく、可愛らしい見た目や色を活かして、デモンストレーションや料理教室などで使うことも多いですね。


プライベートでも、ル・クルーゼの鍋を愛用しています。よく作るのは、やはり定番の「ココット・ロンド」を使った煮込み料理です。私の家のキッチンは電気コンロなのですがル・クルーゼの鍋は保温性に優れているので、ある程度煮込んだらあとは火を止めて、余熱で仕上げるとすごくおいしく仕上がります。電気代も節約できて一石二鳥ですね(笑)。

福田シェフおすすめレシピ①野菜のうまみぎっしり。冷めてもおいしい「ラタトゥイユ」

今回は家庭でも簡単にできるフランス料理として「ラタトゥイユ」をご紹介いただきました。ル・クルーゼの鍋との親和性はどのようなところにあるのでしょうか?


夏野菜をエチュベ (蒸し煮) して作る「ラタトゥイユ」▲ 夏野菜をエチュベ (蒸し煮) して作る「ラタトゥイユ」


福田シェフ:和洋中を問わず、いろいろな調理に使えるル・クルーゼですが、中でも特に実力を発揮するのがフランス料理の調理法エチュベではないかと思っています。エチュベというのは簡単に言うと、ほぼ食材の水分のみで蒸し煮する調理法 (少量の水や出汁、油を加えることもある)。例えば野菜を加熱すると、水分(野菜のエキス)がにじみ出てきますよね。それをさらに弱火でじっくり炒めると、水分が再び食材に戻っていきます。


戻ることによって野菜にしっかり火が通り、うまみ・甘味が凝縮されて、とてもおいしく仕上がるんですよね。底が厚くてしっかりコーティングされているル・クルーゼの鍋は焦げにくく、エチュベに最適。今回ご紹介する2品のうち、「ラタトゥイユ」はエチュベのおいしさが存分に味わえる料理なので、ぜひ作ってみてください。

夏野菜をエチュベしてうまみを引き出す▲ 夏野菜をエチュベしてうまみを引き出す


ローストしてトマトの甘みを凝縮▲ ローストしてトマトの甘みを凝縮

エチュベした野菜の上にローストしたズッキーニとトマトを敷き詰める▲ エチュベした野菜の上にローストしたズッキーニとトマトを敷き詰める

フタをして、約10分、弱火で加熱すれば出来上がり▲ フタをして、約10分、弱火で加熱すれば出来上がり


今回のレシピではエチュベしたナスやタマネギ、オリーブの上に、いったんル・クルーゼの「ラウンド・グリル」でさっとローストにしたトマトとズッキーニをトッピングし、フタをしてさらに加熱ます。「ラウンド・グリル」でローストすることでトマトの甘みが増し、軽く塩・こしょうするだけで驚くほどおいしく仕上がります。

福田シェフのおすすめレシピ②:パリっとふんわり。2つの食感が楽しめる「白身魚のクネル」

2品目にご紹介いただく「白身魚のクネル」とは、どのような料理ですか?


白身魚のクネル▲ 白身魚のクネル


福田シェフ:クネルとはフランス リヨンの郷土料理で、肉や魚をすりつぶして団子状にし、焼いたり蒸したりする料理です。


カマスや鯛など白身魚で作ることが多く、日本の「はんぺん」に近いものがあります。生の魚をさばいて作るのは大変ですが、スーパーや鮮魚店で手に入る「すり身」を使うと、とても簡単にできます。


今回ご紹介するのは本場のクネルを少しアレンジしてパンで挟んでいただくレシピで、すり身を好きな形にまとめて湯煎したものを薄切りのパンで挟み、「ラウンド・グリル」でこんがりと焼けば出来上がり。パンの表面に格子状の焼き目が付くように焼くと、より食欲をそそる見た目に仕上がります。

すり身を好きな形にまとめて湯煎▲ すり身を好きな形にまとめて湯煎

型抜きした薄切りパンで挟む▲ 型抜きした薄切りパンで挟む

格子状の焼き目をつける▲ 格子状の焼き目をつける

パンやラタトウィユと合わせてブランチに▲ パンやラタトウィユと合わせてブランチに


今回はウイキョウのソースを合わせましたが、そのまま食べても十分おいしい。パンのパリっとした食感とクネルのふわっとした食感のハーモニーをお楽しみください。

忙しい毎日の食事作りには、「良い道具」が何よりの強い味方

レシピのご紹介、ありがとうございます。今回の2つのレシピに限らず、フランス料理を日本の家庭で上手に作るコツはありますか?


「鍋を使って料理すること自体が、とても大事」と話す福田シェフ「鍋を使って料理すること自体が、とても大事」と話す福田シェフ

福田シェフ:上手に作れなくてもいいんですよ。失敗しても大丈夫。少々焦げたり味がぼやけてしまっても、それはそれで感謝しておいしくいただく、それが家庭料理というものでしょう。少々の失敗は愛情がカバーしてくれますし、失敗を繰り返すうちに自分なりの料理を作れるようになるはずです。


そもそも、鍋を使って料理をすること自体がとても大事なんです。今の時代、外食も中食も充実しているので料理しなくても生活していくことはできますよね。でも、家庭で作る料理には外食や中食では得られない温もりがあります。家で作る料理は、家族にとって一種のコミュニケーションのツールでもあります。料理を通じて会話が生まれるのはもちろん、親から子に食文化や食習慣、マナーを教えることもできますよね。


もちろん、忙しいときは外食や市販のお惣菜や冷凍食品を上手に活用するのもよいですが、余裕があるときは、ぜひ鍋を使って、簡単なもので十分なので料理をしていただきたいですね。そして「毎日忙しくて、料理が大変」という人にこそ、料理に「良い道具」を使っていただきたい。


例えばル・クルーゼの鍋が特別な準備をしなくても、おいしい煮込み料理やエチュベを作ってくれるように、優れた道具は忙しい人の強い味方になってくれるはずです。今回のレシピで使った「ラウンド・グリル」も、優れものですよね。格子状に焼き目を付けるだけで普通の食材がすごくおいしく見えますし、肉を焼くと溝の間に余分な脂が落ちてすごくヘルシーに仕上がります。皆さんもぜひ、良い道具を味方につけて毎日の料理を楽しんでください。

約50年にわたって日本のフランス料理界を牽引してこられました。今後、シェフとしてチャレンジしてみたいことはありますか?


料理の道に入って今年で48年目を迎えた福田シェフ

福田シェフ:早いもので料理の道に入って今年で48年目を迎えました。最近、昔作った料理をもう一度作ってみたり、昔の料理をベースに新しい料理を考えることが多いのですが、若いシェフたちがそれにすごく興味をもってくれるんですよ。


「これはどうやって作るんですか?」「何なんですか?」って。私にとっては「過去の料理」が、若い人たちには「新しい料理」として新鮮な印象を与えるんですね。


もちろん、私はその料理について彼らに教えるわけですが、彼らはそれをそっくりそのまま同じように作るだけではなくて、彼らなりの感性で今の時代に合った料理にアレンジして、また新たな味を作り出してくれると思います。


こうして昔ながらの味を伝承しつつ、新たな味が生み出されるのをサポートしていくことが、今の私のミッションのひとつではないかと思っています。もちろん、私自身もお客様に喜んでいただける料理を作り続けるよう、一日一日を大切に挑戦を続けてまいります。

最後に、これからル・クルーゼの鍋を使う方にアドバイスをお願いします。


福田シェフ:先ほども申し上げたとおり、良い道具は料理の強い味方です。ル・クルーゼの鍋を一度でも使ってみれば、それを実感することになるでしょう。ただし、良い道具というのは得てして取り扱いが少し難しかったり、メンテンナンスが欠かせなかったり・・・という点で、慣れるまで少し時間がかかるものです。すぐに結果を求めず、


まずは「良い道具を使って、おいしい料理を作る時間」を楽しんでみてください。使い慣れてくるにしたがって道具はあなたの手に馴染み、必ずや最高の相棒になってくれるはずです。


福田 順彦さん

東急ホテルズ&リゾーツ株式会社 専務執行役員 総料理長

セルリアンタワー東急ホテル 総料理長


2001年、セルリアンタワー東急ホテル開業時に総料理長に就任。以来、ホテルの食に関する総合プロデューサー役として料飲部門を牽引、統括。「文化交流」をテーマに料理界はもとより文化人・オペラ歌手・ワイン醸造家など各界の著名人との親交もあり、彼らとのコラボレーションによる食事会を多数開催。全国の東急ホテルズにおける食の牽引者として、精力的に活躍を続けている。



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