うまみキッチンコラムル・クルーゼの小さなお料理教室 Vol.3 「この冬のホムパはみんなでわいわい!揚げたて串揚げを楽しもう」

Vol.3テーマ「この冬のホムパはみんなでわいわい!揚げたて串揚げを楽しもう」

Vol.3テーマ「この冬のホムパはみんなでわいわい!揚げたて串揚げを楽しもう」


年末年始といえば、久しぶりに家族でゆっくり食卓を囲んだり、気のおけない仲間を招いてパーティしたりする時間も増えてくるのではないでしょうか。

今回は、そんな笑顔が集まる食卓にぴったりなお料理のご紹介です。目にも楽しいカラフルな串をひとつ、またひとつ。もう、食卓から笑い声が聞こえてきそう。

暖かいお鍋も良いけどこの冬はちょっと趣向を変えて、子供たちにも大人気の串揚げでホームパーティ、いかがでしょう?



【今回お料理してくださるシェフ】

金丸 慎さん 株式会社マハカラ

 

中目黒駅近くの目黒川沿いで、20年以上食いしん坊たちを楽しませ続けている、イカ焼きと串揚げのお店「マハカラ」の店長。通称「ビルゲ」さん。神戸出身。その人柄にファンは多く、お店はいつも幸せそうな笑い声に満ちています。お店の脇を入ると姉妹店「マハカラのうれしいプリン」。こだわりの素材で作ったやさしい味わいのプリンが人気の行列店です。


「串揚げは気分もあげてくれますよ(笑)誰でも笑顔にする、ふところの深い料理なんです」

 

「串揚げっていう料理は、どんな食材でも包み込んでしまう、気取らない包容力があると思います。食材の合わせ方で、おいしさは自由自在。ご自宅で作るときもあれこれ食材を考える時間も楽しいかなって思います」


ところで、串に刺して揚げた料理を出すお店には「串カツ屋」と「串揚げ屋」、二つのカテゴリーがあること、ご存知でしたか?イメージとして「串カツ屋」は、いわゆる“ソース2度漬け禁止”のスタイルで提供される料理店。カウンターに椅子席が設えてあって串を一本一本、単品で頼めるスタイル。串の特徴で言えば、1本の串に食材がひとつのものが多く、揚げるパン粉が粗めのものを使用していること。


いっぽう「串揚げ屋」は、1本の串に複数の食材が刺さっていて、パン粉が細かい。テーブルや座敷があり、お料理も一本ずつ頼むスタイルではなくコースや串揚げを何本か合わせて提供するセット料理など、接待やデートなどでも使えるようなスタイル。「気分や目的に合わせてそのお店ならではのおいしさや、雰囲気を楽しめるのが、「串カツ」「串揚げ」の良いところかなと思います。」

串揚げっていつ頃から親しまれている料理なの?

小説『法善寺横丁』で有名な作家、1904(明治37)年大阪生まれの長谷川幸延によると、現在「串カツ」と呼ばれている食べ物は、昭和初期の大阪ではすでにポピュラーだったようです。


一説には大正末期から昭和初期頃、通天閣がある大阪の“新世界”で、労働者たちのために、安価でおなかいっぱいになり、時間をかけずに食べられるよう、薄い牛肉に厚い衣をつけて揚げる串カツが考案されたと言われています。

「ル・クルーゼのココット・エブリィ、果たして串揚げとの相性は?」

今回の串揚げは、マハカラでも人気の8種を作っていただきます。

 

・海老シソ巻き

・紅生姜肉巻き

・レンコン

・揚げ納豆

・サーモンエリンギ

・生ハムカマンベール

・トマトベーコン巻き

・小玉葱の肉詰め

 

「串揚げは「次は何にしよう」と考えながらいただくことも楽しみのひとつ。ご家庭でもいろんなバリエーションを考えてみてはいかがでしょう。食材もお肉、魚介、野菜、なんでもありですが食感もいろいろあるほうがより楽しいと思います。食べ進んでも食べ飽きず、おしゃべりがより楽しくなるような組み合わせを今回選んでみました」

揚げたて黄金色の串を口に運ぶと、思いも寄らないおいしさが広がる。それも串揚げの楽しさというわけですね。

さあ、いよいよ揚げ物開始!ところで気になるのが衣の作り方。そして油の量。ご家庭で作るときに、なにか気をつけることはありますか?


「ご家庭では揚げ物の衣は「小麦粉→とき卵→パン粉」が一般的かと思いますが、串揚げは「バッター液→パン粉」。ひと手間少なくて済むこのバッター液、実は家庭で上手に揚げるためのコツがあります。まずは普段使っている薄力粉。ご家庭では卵を加えても良いと思います。それに、冷えた炭酸水を合わせます。この炭酸水を合わせることで仕上がりがサクサクの串揚げになるんですよ」

 

“バッター”というのは“揚げ衣”を意味する英単語「batter」に由来するそうです。


「あと、あまり油っぽくしたくないな、というときはパン粉を細かくしたほうが良いです。ザクザクした食感を活かしたいときは、荒いほうが良いと思います」


今回串揚げに使うお鍋は、ココット・エブリィ。日本の炊飯文化に合わせて開発された深めの鍋です。20サイズのココット・エブリィに約1リットルの油を注ぐ金丸さん。今日は6名のゲストをお呼びしていますが、油の量、少なくないですか?「いやいや、この鍋なら深いし、鋳物で熱伝導も良いから、少なめの油でもうまく揚がるねん」

串ネタをバッター液にくぐらせてパン粉をまぶして、いよいよ串揚げパーティの始まり!


「串揚げにはキャベツ、じゃなくて今回は、季節の野菜と魚介を使った蒸し鍋を合わせてみます」

 

「マハカラではお客さまに、まず最初に野菜スティックとディップソースをお出しするんですが、串揚げは野菜料理と相性が良いんです。消化にも良いですし。今日はせっかくル・クルーゼのココット・ロンドを使えるので、にぎやかな蒸し鍋を合わせてみますね」



「作り方はとってもカンタン。スチーマーに白菜を敷き詰めてから火の入りにくいかぼちゃや魚介(塩、こしょう)を下の方に、あとは好きな野菜を食べやすい大きさでスチーマーに敷き詰めて。蒸し時間は約8〜10分程度で、完成です!お鍋ごとテーブルに運びます。これなら揚げ物しながらでも調理がラクですよ」

 

今回使っていただいたル・クルーゼのココット・ロンドには専用のスチーマーが用意されています。お鍋に水を張り火にかけて、沸騰してから食材を入れたスチーマーを乗せて蓋をするだけで、簡単においしい蒸し料理が仕上がります。


「ココット・エブリィ、少ない油でキレイにたくさん揚げられました!ちょっと驚き」

 

ココット・エブリィに注がれた油の温度が約180~185℃まで上がったところで、少しずつネタを滑り込ませます。「ネタはいっぺんにたくさん入れない、これがうまく揚げるコツです。油温計がない場合はバッター液を少し油に入れて沈んだ液がすばやくスッと表面に浮いてきたら適温。揚げる時間も食材によって変わりますが、食材を入れてブクブクした大きな泡が小さな泡に変わってきたら、おいしく揚げられた合図です」

さきほどから調理の手際を見ているとガス台周りに油ハネが少ない様子です。

「ココット・エブリィは深いじゃないですか。だから油がまわりにハネにくいですよ。揚げ物はお掃除や油の処理など面倒になりがちですけど、これならお掃除もラクですし、少ない油でサクサクの串揚げ、いけちゃいますね」とプロからのリコメンドもいただきました。

揚げる串の本数を考えると油の量が少ないかなと感じていましたが、そんな心配は要らなかったようです。この日は、一回の油(約1リットル)で64本の串揚げを作っていただきました。

「作りながらおしゃべりが途切れない。串揚げでホムパ。アリですね!」


テーブルにどんどん運ばれてくる、揚げたての串揚げ。サクッと軽い衣を噛めば、じゅわっと広がる口福感。おいしさは、ゲストの方々の笑顔を見ればわかります。次の串に期待が高まりつつ、運ばれてきたのはホクホクの蒸し鍋。今日はマハカラ特製のディップソースを添えて。短時間でしっかり野菜の甘みが引き出されて、こちらも時短料理とは思えないおいしさ。シェフを交えたおしゃべりも弾んであっという間に楽しい時間が過ぎていきました。本日参加された方々に「小さなお料理教室」の感想を伺いました。




「揚げ物は後片付けが面倒で自宅ではあまりやらないけど、ガス台周りも汚れにくいし、少ない油で上手にできるなんて発見がありました」

「串揚げは作りながらおしゃべりできるのが楽しい。仲間を呼んでひとりずつ「オリジナルの串揚げ」を考えてもらうのもアリかな」

「魚介とお野菜、いっしょに蒸せる。見栄えも良いし上手にタイパ料理できますね」

「なによりお鍋の色がきれい!これなら(お料理する)テンション上がるよね」

「ル・クルーゼは、健康を意識している人たちが使っているイメージ。料理をいただいて改めて感じました」



ゲストの方々が料理とおしゃべりで盛り上がっているのを眺めながら、

「まだいける?まだおなかに入りそう?」とゲストを気遣うことを忘れない金丸さん。

 

ところで金丸さんにとって、豊かな食卓はどんなイメージですか?

 

「お店でもこんな感じで、お客さんにお声がけしながら

少しでも楽しい時間を提供できればなと思っていまして。

食卓にはおいしい料理を囲める幸せはもちろん、

家族や仲間と1日の出来事なんかを話し合える幸せもあると思うんです。

心とからだ、どちらの栄養もとれるのが、豊かな食卓かな。

あと大切なのは、笑い。笑顔。笑いのたえない食卓って素敵でしょ?」

キッチンスタジオには、金丸さんとゲスト方々の楽しそうな笑い声。

串揚げという料理は、食卓にあふれる「笑いと笑顔」を届けてくれること、間違いなさそうです。

Recipe1.串揚げ8種(各4本目安)


バッター液

・小麦粉(薄力粉)500g

・炭酸水 550cc

 

【作り方】

ボールに小麦粉を入れ、炭酸水を加えながら、ハンドミキサーでダマが無くなるまで混ぜます(お好みで卵を加えても良い)。


海老シソ巻き

・海老4尾 (冷凍 殻付き海老(天ぷらサイズ)

・大葉4枚


【作り方】

海老は、背わたを取り除き、包丁の背を尾の付け根に優しくあて、尾の先に向かってスライドさせ、尾の汚れをとります。海老に串を打ち、大葉を巻きます。

揚げ時間目安:約3分


紅生姜肉巻き

・豚バラ肉スライス8切れ(今回は7〜8㎝に切った豚バラ肉スライスを使用)

・紅生姜千切り適量


【作り方】

豚バラ肉スライスに適量の紅生姜千切りを乗せて巻き串を打ちます。

(隙間がないようにしっかりと巻いていきます。)

揚げ時間目安 : 2分

レンコン

・レンコン(約1cm幅の半月切り)4つ


【作り方】

半月切りにしたレンコンに串を打ちます。

揚げ時間目安:約2分

生ハムカマンベール

・カマンベールチーズ4切れ(扇形に切ったもの)

・生ハムスライス4枚


【作り方】

生ハムにカマンベールで乗せて巻き、串を打ちます。

揚げ時間目安 1分半

サーモンエリンギ

・スモークサーモンスライス4切れ(食べやすい大きさに切ったもの)

・エリンギ1本

・レモン(薄い半月切りを4枚)


【作り方】

スモークサーモンに短冊切りしたエリンギを乗せて巻いていきます。(隙間がないようにしっかりと巻く)揚がったあと、最後にレモンを串に打ちます。

揚げ時間目安 2分

揚げ納豆

・小粒納豆適量

・油揚げ(小さめのサイズを4等分に切ったもの)

・たくあん漬

・糸がつお(鰹節)

・醤油(あるいは納豆の出汁)ひとつまみ

 

【作り方】

納豆に小さく賽の目切りにしたたくあん漬、醤油、糸がつおを加え混ぜます。

開いた油揚げに適量を入れ、油揚げの端を縫うように串を打ちます。

揚げ時間目安 1分半

トマトベーコン巻き

・プチトマト4個

・ベーコン4枚(スライスされたもの約7〜8cm)

 

【作り方】

ベーコンにプチトマトを乗せて巻き、串を打ちます。

揚げ時間目安 1分半

小玉葱の肉詰め

・小玉葱(ペコロス)4個

・鶏ひき肉の餡7〜9g

 

【作り方】

鶏ひき肉に下味をつけます。(塩・こしょう・カレー粉適量)

ペコロスの皮を剥き、2等分にし、中心をくり抜きひき肉を詰めていきます。ひき肉を詰めたペコロスに串を打ちます。

揚げ時間目安 3分

Recipe2.季節の野菜と魚介の蒸し鍋(約4人分)

 季節の野菜と魚介の蒸し鍋

・白菜 250〜300g

・かぼちゃ 150g

・人参 80g

・ビーツ 80g

・プロッコリー 80g・鱈 4切れ

・紅鮭 4切れ

・牡蠣 適量

【作り方】

スチーマーに白菜を敷き、火の通りにくいカボチャや塩を振った魚介を下にして野菜を重ねて敷き詰めます。牡蠣は器に入れて蒸すとサーブしやすいです。お鍋に水を張り火にかけてお湯を沸かし、食材を入れたスチーマーを乗せて蓋をして約8~10分ほど蒸して出来上がり。

お鍋ごとテーブルへ運びます。

今回使用したお鍋

今回ご協力頂いたお店:中目黒マハカラ

中目黒マハカラ

 

中目黒の目黒川沿いでお店を始め22年。名物イカ玉焼きと串揚げ、そして国内クラフトビールが看板メニューの繁盛店。角を挟んで姉妹店「マハカラうれしいプリン」はこだわりの卵を使ったプリン屋さんです。

 

〒153-0042 東京都目黒区青葉台1丁目17−5 メゾン青葉 102

03-3463-5147

http://www.mahakala-nakameguro.com/jp/


カウンター5席、テーブル4席×2卓

営業時間 平日18:00〜24:00

土日祝日17:00〜24:00

定休日 火曜