うまみキッチンコラムVol.9 「料理をもっと自由にする、手間いらずでクリエイティブなレシピ!」 

Vol.9 「料理をもっと自由にする、手間いらずでクリエイティブなレシピ!」 

料理をもっと自由にする、手間いらずでクリエイティブなレシピ!


少しはゆっくりする時間を作りたいのに、家事に仕事に追われてヘトヘト。

キッチンに立つことは好きだけれど、毎日のことだから 手を抜きたくなることもありますよね。

そこで今回は、ご馳走感があるのに調理の手間を減らせるレシピをご紹介します。 

手間は減らすけれど、愛情はたっぷりなワザあり料理に、 食卓から驚きの声が聞こえてきそう! 


キッチンでは料理の準備が始まりました。 手間いらずってどんな調理をするのでしょう? 

豊かな食卓のご提案、ル・クルーゼ キッチンからお届けします。


およねさん

【今回お料理してくださる先生】

およね さん

およね / 爆速レシピクリエイター 

「自炊ハードルを地の果てまで下げにいく」をモットーに、日々、ささっとラクに作れてちゃんと美味しいレシピを発信している。テレビや雑誌、WEBなどメディア出演のほか企業のレシピ開発で活躍中。SNS総フォロワーは40万人を突破(2024年11月現在)。著書「禁断の爆速ごはん ここまでやっちゃう100レシピ」「やったもの勝ち!およね式手間どろぼうレシピ」(主婦の友社)は発売前重版を記録。2児の母。  

およねさんが料理されるようになったきっかけは? 


小学生の頃、両親が共働きだったので祖母の家に帰っていました。その祖母が料理の大好きな人で。放課後に一緒に料理をしたり、近所のお惣菜屋さんにおかずの調理方法を聞きに行ったりしていました。その経験の中で自然と料理が好きになっていったと思います。中学生になってからは、忙しい両親に代わって夕食を作るとお小遣いがもらえたので(笑)積極的に作っていました。


時短や洗い物減をテーマにしたレシピは、どんなことがきっかけですか? 


出産を経て、当時勤めていた会社に復職してからです。その頃は子育てと仕事の両立にいっぱいいっぱいで。それでも毎日の食事を出来合いのお惣菜に頼ることにも抵抗がありました。それに私は料理が好きだったので、大好きな料理を諦めることもしたくなかった。そういう風に毎日を乗り越えていたら、どんどん作業効率化が進んでいきました。 



料理は好きだけれど、レシピ通りに作ることや後片付けが面倒くさいという声も聞きます。およねさんはどうでしたか? 


私も全く同じです。料理番組や料理動画を見るのは大好きだけど、その通りに作ったことはほとんどないかもしれません(笑)。食材や調味料の組み合わせを参考にしながらあとは自由にやっています。それが家庭料理の魅力だとも思っています。 



SNSが大人気です。人気の秘密はなんだと思われますか? 


「時短」「洗い物減」をテーマに、私と同じ世代の方にとにかく役立つアイデアを出来るだけ発信しようと心がけていたので、多くの方に参考にしていただけたのかもしれません。ただ、何より私自身が楽しく発信を続けていたので、その楽しそうな雰囲気が伝わったのかな?そうであったらいいなと思います。 



およねさんがレシピを開発されるとき、大切にされていることは? 


一般の家庭で取り入れやすい食材を使うこと。手間は省いてもおいしさは省かないこと。「簡単」だけでなく「楽しそう!やってみたい!」と思ってもらえるレシピにすること。 



この時期、健康のために気にかけておきたい食習慣などはありますか? 


私、「しょうが」に絶大な信頼を置いているんです(笑)。毎日のお味噌汁やスープにしょうがのすりおろしを加えたり、「ちょっと喉が怪しいかな?」という時はすりおろししょうがとはちみつをお湯で割った「しょうがはちみつ湯」を飲んでから寝るようにしています。 


「この季節、心から温まるシチューと蒸し料理。今日は2品同時に作っちゃいます」 




今回のレシピ「ホワイトシチュー」「サーモンと彩り野菜蒸し ヨーグルトガーリックソース添え」を選んだ理由はありますか? 


今回は家族や大切な人と一緒に過ごすおもてなしレシピにしたくて。寒い季節ですから、ほっこり温まるシチューが良いかなと思いました。また、せっかくル・クルーゼのスチーマーが使える機会ですから、シチューと同時に作れちゃう蒸し料理を紹介しますね。どちらもシーフードを楽しめるレシピです。 



ひとつの調理器具でふたつの料理を作る。こういうアイデアは日頃から思いつくのですか?  


ワンパンで一気に2品作ったり、炊飯器でごはんとおかずを同時に3品作ったりしています。SNSでこのような時短テクニックを披露するととっても喜んでいただけるので、楽しくなってレパートリーが増えていきました。 



まずはサーモンと彩り野菜蒸しからですね。下ごしらえは何から始めますか? 


お野菜から始めましょうか。今日は、カラフルで気持ちが明るくなる食材を集めました。かぼちゃ、赤かぶは火が通りやすいよう薄切りに。ブロッコリー、黄パプリカは食べやすい一口サイズに切り分けておきます。お好みのお野菜で良いと思いますが、今の季節であれば根菜類やキノコなどもおいしいですよ。 



スチーマーは、ル・クルーゼのお鍋に合わせて使う蒸し器ですよね。 


このスチーマー、使ってみてわかったのですがとっても優れもの。今回でいうとシチューを作る過程で蒸し料理も作れちゃう。私の料理スタイルにぴったりかも!蒸し料理とシチュー、どちらもシーフードを使った料理にしたのは、魚介のうまみたっぷりの蒸気がお鍋とスチーマー両方で対流してくれるから、相性が良いと思ったのです。さて、スチーマーにはクッキングシートを敷いて、お箸などでいくつか穴を開けておいてください。こうすると蒸気が対流しやすくなります。野菜の準備が整ったら、スチーマーにかぼちゃと赤かぶを交互にぐるりとすきまなく並べていきましょう。他の野菜と一緒にサーモンを上に乗せます。サーモンが重ならないように気を付けて。 



サーモンはキッチンバサミで切り分けるのですね! 


そうそう、こうするとまな板を使わずに済むでしょう?後片付けの手間をなるべく少なくするために、調理する道具も試行錯誤しているんですよ。スチーマーに並べた食材に塩をひとつまみパラパラと振りかけて、蒸し料理の準備ができました。ル・クルーゼは均等に加熱されるからなのでしょうね、スチーマーの中も加熱ムラが発生せず、お魚はふんわり、野菜はしっとりとおいしく仕上がるのが嬉しいです。蒸しあがって蓋を開ける時が楽しみですね! 


「シチューのホワイトソースには、カンタンで失敗しない作り方があるんです」 










シチューですが、およねさんならではのポイントがあれば教えてください。 


ホワイトソースで失敗してしまう、ダマになってしまうというお声をよくいただきます。今回は「とろみ後付け」でダマにならない、失敗しない方法を紹介しますね。これでホワイトソースへの抵抗がなくなると思いますよ。


シーフードシチューですが、使う食材はスーパーでお買い求めいただけるものばかりです。冷凍のシーフードは解凍しておきます。生のイカを使う場合は、キッチンバサミで食べやすい大きさに切り揃えてくださいね。かぶはよく洗って葉と実を切り分け、実は皮付きのまま4等分に。マッシュルームは汚れをさっと拭き取って半分に切っておきましょう。


お鍋にバターを入れて中火で加熱し、バターが溶けたらシーフードを入れます。8割くらい火が通ったら一旦取り出しておきます。シーフードを炒めたお鍋にかぶの実とマッシュルームを入れて、バターがなじんでツヤが出るくらいまで1〜2分炒めます。そこに水と塩小さじ1/2を加えたら、蒸し料理の準備を済ませたスチーマーをセットしましょう。先ほど炒めたシーフードはまだお鍋には戻しません。 



この過程でスチーマーをセットするのですね? 


そうなんです。蒸し料理の準備を済ませたスチーマーは、お鍋に牛乳と「とろみ液」を加える前にセットします。そのまま中火で様子を見ながら10〜15分加熱します。この過程で蒸し料理が出来上がります。ね?一石二鳥でしょう(笑)?さて、野菜を煮込んでいる間に薄力粉で「とろみ液」を作りましょう。この「とろみ液」が失敗しないホワイトソースのもとになります。蒸し料理が仕上がったらスチーマーを外して、コンソメの顆粒と牛乳を加えてふつふつしてきたら一旦火を止めます。ここに「とろみ液」をゆっくり加えて全体を混ぜてください。再度中火で加熱しながら混ぜ合わせていくと上手にとろみがついたホワイトシチューになります。さあ、最後にシーフードとかぶの葉をお鍋に入れて2〜3分加熱すれば、出来上がりです。 



シチューにル・クルーゼを使ってみていかがですか? 


じっくりコトコト煮込む料理にはやっぱり向いていますよね。熱を逃さず料理が冷めにくいですし。食材を炒め合わせる時、こびりつくことなくサッと火が通ってくれるので調理しやすいです。あとカラフルでそのまま食卓に持っていけるから、気分が上がると思います! 



蒸し料理に付け合わせるのはヨーグルトを使ったソースですね。 


ご家庭にあるような食材を使って、ちょっとオシャレなソースを作りたいと考えました。お塩で食べてもおいしい蒸し野菜ですが、はちみつとにんにく、マヨネーズをヨーグルトに合わせます。ちょっとしたアクセントになるようにハーブのディルを刻んで混ぜましょう。さっぱりとした味わいですよ。 

「見た目はわんぱく、でもにんじんの甘みがしっかり楽しめる炊き込みご飯です」



今回のレシピ「にんじんバターライス」を選んだ理由はありますか? 


「シチューにごはんは合わない」という意見をチラホラ聞きますが…(私はごはん派です笑)。ごはんにちょっとした工夫を加えれば、ホワイトシチューとも相性ばっちりになることを伝えたくて。ついでに野菜も摂れるなんて一石二鳥で最高だなと! 



この料理、およねさんならではのポイントがあれば教えてください。 


炊き込む際に、にんじんは小さく切らずに長いまま入れます。インパクトありますよね?でも細かく切る作業も減りますし、大きいまま入れることでにんじんの甘みもしっかり感じられるところがポイントでしょうか。


まずお米を研いで20分ほど浸水させておきましょう。にんじんは皮を剥き、縦半分に切っておきます。「ココット・エブリィ」に水気を切ったお米、コンソメ顆粒、分量の水を入れ、にんじんを重ならないよう交互に並べて入れます。インナーリッドと外蓋をしてまずは中火にかけ、沸いたら弱火で10分ほど炊き、火を止めて10分蒸らしましょう。蒸らし終えたらバターを加え、にんじんを潰すようにご飯と混ぜ合わせます。食べるときに、お好みでブラックペッパーをお使いください。 



「ココット・エブリィ」を使ってみていかがですか? 


「ココット・エブリィ」で炊くごはんがおいしすぎる!!にんじんもしっとり中まで火が通って甘くなって感動しました。お鍋での炊飯って「失敗しそう…」という理由で私自身苦手意識があったのですが、何度やっても失敗しません(笑)食卓にそのまま出しても冷めにくいし、むしろ食卓が華やぐのも嬉しいですね。 

「料理ってもっと自由で良いものなんだ。そんなふうに思えました」 


湯気もおいしそうなシーフードシチューに、しっとりふっくら仕上がったサーモンと彩り野菜蒸し。そして、ツヤツヤしたにんじんバターライス。蒸し料理も、シチューも、にんじんのバターライスも、お鍋の蓋を開けるたびに歓声が上がるキッチン。ル・クルーゼはお鍋の蓋を開けて、出来上がった料理を見ることも喜びのひとつ。サーブされた料理をテーブルに並べて、さあ、試食タイム。およねさんの「手間はかけない、愛情はたっぷりかける」料理はどれも手間を省いたとは思えないおいしさ。鍋料理と蒸し料理をいっぺんに作る、という試みも大好評です。およねさんがたどり着いた手際の良さは、料理を自由に開放するものでした。 



今回参加してくださったみなさんの感想を伺ってみました。 


「後片付けのことまで考えたお料理の仕方に共感です」 


「そうそう!そこが面倒なのよね!というところを解決されていて参考になった」 


「ル・クルーゼのお鍋とスチーマーの組み合わせ、色々使えそう!」 


「シチューも蒸し野菜もとってもおいしい。とろみ液、真似してみます」 


「にんじんバターライス、にんじんをさくさく切り潰して混ぜるのは子供も喜びそう!」 



最後に、およねさんが想う「豊かな食卓」ってどんなイメージでしょうか? 


作る人も食べる人も幸せであること、でしょうか。おうちご飯って毎日のことだから、どっちかが大変な思いをしていたり、我慢していたりするとどこかで崩れてしまうと思うんです。多少手間を省いたって「おいしい」は作れるから。その省いた手間の分、気持ちを軽く笑顔で過ごせたらいいなと思います。 


Recipe1.サーモンと彩り野菜蒸し

材料(約4人分) 

  • かぼちゃ:60​​g(2mmほど の薄切り8枚) 
  • 赤かぶ:80g(2/3個 2mmほどの薄切り8枚) 
  • ブロッコリー:40​​g(4房) 
  • ミニトマト:4個 
  • 黄パプリカ:1/2個 
  • トラウトサーモン:2切 
  • 塩:ひとつまみ 

作り方

  • かぼちゃと赤かぶは、2mmほどの薄切りにする(それぞれ8枚)。 
  • ブロッコリーは1口サイズに切る。 
  • パプリカは4等分に細切りする。 
  • トラウトサーモンの切り身は半分に切る。 


  1. スチーマーにクッキングシートをセットする。スチーマーの穴に合わせて、箸などでいくつか穴を開ける。 
  2. かぼちゃと赤かぶを丸く交互に並べる。 
  3. その上に他の野菜をバランスよく並べ、最後にサーモンを重ならないように並べる。 
  4. 全体に塩を振る。 
  5. シーフードシチューの作り方3.のタイミングでスチーマーを鍋の上に乗せ、中火で10~15分加熱し蒸しあげる。 

ヨーグルトガーリックソース

材料

  • ヨーグルト(無糖タイプ):150g 
  • にんにく(チューブ):小さじ1 
  • はちみつ:大さじ1 
  • マヨネーズ:大さじ4 
  • 塩:ふたつまみ 
  • ブラックペッパー:適量 
  • ディル:適量

作り方

  1. ディルはあらみじん切りにし、全ての材料を混ぜ合わせる。

Recipe2.シーフードホワイトシチュー

材料

  • むきエビ:8尾 
  • 帆立:8個 
  • イカ:2杯(約180g) ※シーフードは全て冷凍でOK 
  • かぶ:2個 
  • マッシュルーム:4個 
  • バター:20g 
  • 水:450ml 
  • 牛乳:700ml 
  • コンソメ:大さじ1 
  • 塩:小さじ1/3 


<とろみ液> 

  • 薄力粉:大さじ6 
  • 水:110ml  

作り方

  1. 冷凍シーフードは解凍しておく。生イカを使う場合は輪切りにする。かぶは実と葉を切り分け、実は皮付きのまま4等分にする。葉は3センチ幅に切る。マッシュルームは汚れを拭き取り半分に切る。 
  2. 鍋にバターを入れ中火で加熱する。バターが溶けたらシーフードを入れ8割ほど火が通ったら取り出しておく。 
  3. 2.の鍋にかぶの実とマッシュルームを入れてバターがなじむ程度に炒める。 水と塩を加えたら「サーモンと彩り野菜蒸し」のスチーマーを上にセットし蓋をする。そのまま中火で10~15分加熱する。 
  4. 煮込んでいる間に薄力粉と水をよく混ぜ合わせ、とろみ液を作る。 
  5. スチーマーを外す。 鍋に牛乳とコンソメを加え、ふつふつするまで加熱したら一度火を止めてとろみ液を回し入れる。再度中火で加熱し、かき混ぜながらとろみをつける。 
  6. シーフード、かぶの葉を入れ2~3分加熱する。味を見て薄ければ塩をひとつまみほど加えて調整する。

Recipe3.にんじんバターライス

材料(約4人分)

  • 米:3合 
  • にんじん:1本 
  • コンソメ:大さじ1 
  • バター:20g 
  • ブラックペッパー:お好みの量で 
  • 水:540ml 

作り方

  1. 米を洗い、20分ほど水に浸しておく。 
  2. にんじんは皮を剥き、縦半分に切っておく。 
  3. 鍋にザルで水気を切った米、コンソメ、分量の水を入れ、上ににんじんを並べる。インナーリッド(内フタ)、フタをして中火で沸かす。 
  4. 沸いたら弱火に落として10分ほど炊き、10分蒸らす。 
  5. バターを加え、にんじんを潰しながら全体を混ぜ合わせる。皿に盛ったらお好みでブラックペッパーをかけて完成。 

今回使用した製品