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ル・クルーゼで学ぶフランス料理の基本調理法 ~ ポシェ編
日本では外食で楽しむことが多いフランス料理ですが、そのほとんどは、もともとフランスの一般家庭で作られているもの。基本的な調理法を覚えれば、日本のご家庭でも簡単に作ることができるメニューもたくさんあります。
そこでル・クルーゼでは、3回に分けて、フランス料理の基本的な3つの調理法 (エチュベ、プレゼ、ポシェ) と、初心者にも挑戦しやすいお手軽レシピをご紹介します。
最終回は日本でもおなじみのフランス料理「コンフィ」作りにも欠かせない調理法「ポシェ」と、手軽に作れるポシェのレシピをご紹介します。
オイルにもうまみたっぷり「牡蠣のコンフィ」
▲ ぷりぷりの牡蠣の食感がたまらない
ポシェ(Pocher)は水や出汁、ワインやオイルに食材を完全に浸した状態にして、ゆっくりと弱火で煮る調理法のこと。時間をかけて低温加熱することで食材が柔らかくなり、食材のうまみが染み出した出汁やオイルもおいしくいただくことができます。
フランス料理の定番「コンフィ」も、食材をオイルでポシェして作る料理の一つ。コンフィの語源「コンフィル」がフランス語で「保存する」を意味することからもわかるとおり、コンフィは冷蔵技術が発達していなかった時代に食品を保存するために考案された調理法。オイルが食材の表面に膜を作って外気や水を遮断し、食材を傷みにくくします。
▲ オイルをたっぷり絡めて牡蠣のオイルパスタにアレンジ
今回ご紹介する「牡蠣のコンフィ」も、ポシェで簡単に作ることができるメニューの一つ。鍋によく洗った牡蠣を並べたら、牡蠣がひたひたになるくらいまでオリーブオイルを注ぎ、ローリエやタイムなどのハーブを加えて弱火で加熱します。オイルがふつふつと煮立ったら、極弱火にしてさらに10分ほど煮込んでから火を止め、粗熱がとれたら出来上がり。
しっかり煮沸消毒した容器に入れて冷蔵すれば2週間は保存できるので、まとめて作っておくと常備菜に便利です。牡蠣のうまみがたっぷり染み込んだオイルごとパスタに絡めても、おいしくいただけます。
混ぜご飯にアレンジもおすすめ「きのこのコンフィ」
▲ たくさん作って常備菜に。ワインとの相性も◎
きのこもコンフィに最適な食材の一つ。オリーブオイルに浸して弱火で10分ほどポシェするだけで、オイルにきのこのうまみがしっかり染み出して、おいしいコンフィが出来上がります。
ポイントは複数のきのこを使って作ること。それぞれのきのこの風味が混ざり合って、より深みのある味わいに。きのこの種類はお好みによりますが、えのきやなめこは粘りが出てしまうので気になる方は避けた方がよいでしょう。
今回ご紹介するレシピは、まいたけとマッシュルームを各200g、エリンギ100gの割合で使い、ドライトマトとグリーンオリーブを加えて、ほどよく酸味の効いた爽やかな味わいにアレンジしたものです。
▲ 混ぜご飯にして、きのこのうまみを余すことなく堪能
きのこのコンフィはよく煮沸消毒した容器に入れて冷蔵保存すれば、1週間程度は日持ちするので、作り置きにぴったり。週末にまとめて作って保存しておくと、箸休めの副菜やお弁当のおかず、ワインのおつまみなど、いろいろな用途に使えて便利です。
コンフィが余ってしまったら、ぜひ混ぜご飯にアレンジを。コンフィを温かいご飯に混ぜて醤油や塩で少し味を調えるだけで、オイルに染み込んだきのこのうまみを存分に堪能できる大満足の一品に仕上がります。
低温調理でしっとり仕上げる「鶏むね肉のポシェ パプリカソース添え」
▲ パサつきがちな鶏むね肉も、ポシェならしっとりジューシーに
ポシェで食材をおいしく仕上げるには、「食材が完全に液体(スープやワイン、オイルなど)に浸かった状態」で低温加熱することがポイントですが、食材が大きいとポシェに必要な液体の量も多くなってしまいます。食材のうまみが染み出したスープやオイルも食べる場合はそれでも問題ありませんが、そうでない場合はせっかくうまみが染み出した液体を捨てることになるので、もったいないですよね。
そこで考えられたのが、耐熱袋の中に食材と液体を入れて湯煎しながらポシェする方法。これなら少量の液体でも食材が浸った状態をキープできるので、うまみを無駄にしてしまうことがありません。
▲ 耐熱袋の中にうまみが凝縮
今回はこの方法で、鶏むね肉のポシェを作ってみましょう。まずは、鶏むね肉をオリーブオイルやレモン汁、調味料と一緒に耐熱袋に入れて揉み、常温で10分ほど置きます。その間に鍋に水を入れて弱火で沸騰させます。沸騰したら、鍋に耐熱袋ごと入れ、フタをして2分ほど弱火で加熱。あとは火を消して20分ほどフタをしたまま置けば完成です。火を消した後もフタをした鍋の余熱でゆっくり火が通り、パサつきがちな鶏むね肉が驚くほどしっとりジューシーに柔らかく仕上がります。そのまま食べてもおいしいですが、サンドイッチやサラダの具にしたり、細切りにしてバンバンジー風にアレンジしてもおいしくいただけます。
今回ご紹介したのは、パプリカのソースを添えるレシピ。パプリカは熟すと黄色から赤に変化し、赤くなるほど甘みが増すので、さっぱり食べたい場合は黄色のパプリカで、甘めがお好みなら赤いパプリカでソースを作るのがおすすめです。
ぴったりとフタができて蒸気が効率よく循環し、蓄熱性にも優れたル・クルーゼの鍋
煮立たせることなく、弱火で静かに加熱するポシェには、優れた熱伝導性と蓄熱性で予熱調理もできるル・クルーゼのお鍋がぴったり。今度のお休みには、お好きな食材をル・クルーゼのお鍋でポシェして、休日のごちそうや常備菜を作ってみませんか?
ル・クルーゼと一緒にフランス料理の基本調理法「エチュベ」、「ブレゼ」、「ポシェ」を学ぶ全3回のコラム、いかがでしたか?いずれも日本では聞きなれない調理法ですが、特別に難しいわけではなく、食材と水の量の関係に注意すれば、日本のご家庭でも毎日手軽に作れる料理として取り入れることができます。フランス生まれで、「エチュベ」、「ブレゼ」も「ポシェ」も得意なル・クルーゼのお鍋を使って、手作りのフランス料理のおいしさをご家庭でお楽しみください。