うまみキッチンコラムスチームオーブンがなくても叶う!手作りパンのある暮らしを楽しもう。

2022年09月14日更新

スチームオーブンがなくても叶う!手作りパンのある暮らしを楽しもう。

パン焼きに特化した鍋「シグニチャー ブレッド・オーブン」登場

ほっこりと幸せな気持ちにしてくれる、焼き立てパンの香り。忙しい一日を、香ばしく甘いパンの香りに包まれてスタートできたら、嬉しいですよね。そんな願いを叶えてくれる、鍋「シグニチャー ブレッド・オーブン(以下、ブレッド・オーブン)」が、このたびル・クルーゼから新登場しました。約100年の歴史を誇るル・クルーゼが初めて手掛けた、パン焼きに特化した鍋(Pain en Cocotte)です。これさえあれば、難易度が高いと思われがちなフランスパンやカンパーニュなどハード系のパンもご自宅で気軽に焼き上げることができます。もちろん、ブリオッシュやちぎりパンなどソフト系のパンもお手のもの。工夫次第でいろいろな種類のパンをご自宅で手作りすることが可能です。

 

おいしさの秘密は、大きなクロッシュ型(ベル型)のフタ。フタの中で熱と水蒸気が効率良く対流することにより、まるでスチームオーブンで焼いたかのように、表面はパリッとクリスピーに、中はしっとり柔らかいパーフェクトな食感を実現。おうちにいながらにして、甘い小麦の香りに包まれた幸せな時間を過ごすことができます。

 

今回は、「パン作りで皆様を幸せに」をコンセプトに活躍するパン職人の大野有里奈さんに、「ブレッド・オーブン」を使って上手にパンを焼くコツ、そしておうちで簡単に焼けるパンのレシピをご紹介いただきます。ブログ最後に動画もあります。

幸せパン職人・大野有里奈さんが考える「おいしいパンの条件」とは?

―大野さんは日本の大手製パン企業でパン職人として経験を積んだのち、本格的にパン作りを学ぶために渡仏、現地のブーランジェリーで約2年間、パン職人として修業されたそうですね。フランスでの生活を経験して、パンについての印象は変わりましたか?

 

大野:まず、パンの香りと味わいが芳醇なことに驚きました。小麦の品種が違うこともあって、日本のパンより小麦本来の香りとうまみが強く、味わい深いのです。あとは、フランス人のパンへの愛着の強さも実感しましたね。私たち日本人が炊き立てのご飯にこだわるのと同じように、フランス人は焼き立てのパンが大好き。最低でも1日1回、多い人は食事の度にお気に入りのブーランジェリーで焼き立てのバゲットを買うんですよ。私たちパン職人のランチも毎日必ず、焼き立てのパンで作るバゲットサンドでした。

 

―焼き立てパンが身近にある暮らし、素敵ですね。



大野:そうですね。あの頃、毎日食べていたシンプルなバゲットが、今も私にとって「おいしいパン」の原点です。特に高価な材料は使わないのに、しみじみと美味しくて、どんな料理にも合わせやすく、毎日食べても飽きないんですよね。日本に帰って来てからは、焼きたてのパンの香りに包まれる、あのなんとも言えない幸福感を日本の皆さんにもお伝えしたくて、自宅で焼けるパンのレシピをSNSなどで発信、焼きたてパンのある豊かな暮らしをご提案しています。ただ、日本ではまだ自宅でパンを焼くのは難しそう・・・と躊躇していらっしゃる方も多いですね。

家庭で上手にパンを焼くコツは?

―確かに、バケットなどのハード系パンは特に難しそうですよね。家庭で上手に焼くコツはありますか?

 

大野:まずは、カナダ産やオーストラリア産の「外麦(がいばく)」の小麦粉を使うことをお勧めします。日本産小麦はもともと小麦自体に含まれている水分が多いので、生地がべちゃっとしてしまい、レシピ通りに作ってもなかなか上手く焼き上がりません。その点、外麦は水分をよく吸収してくれるので、生地が水っぽくならず、サクッと歯切れの良い食感に焼き上がります。


もう1つのコツは、スチーム機能付きのオーブンを使うこと。普通の電気オーブンだと、バゲットの焼成に必要なスチームの管理が難しく、「外はパリッ、中はふんわり」という理想的な焼き上がりを実現するのが、難しいのです。加熱中に一度オーブンを開いて、霧吹きなどで水分を加える方法もありますが、そうするとオーブン内の温度が一気に下がってしまい、焼き上がりに悪い影響を及ぼしてしまいます。

「ブレッド・オーブン」で家庭でのパン作りの悩みを解消

―なるほど。スチームと温度管理の難しさゆえに、「家でのパン作りは難しい」というイメージがあるのですね。


大野:そうですね。でも、その意味でいうと、今回ル・クルーゼから発売された「ブレッド・オーブン」は、「家庭でのパン作りの悩み」を解消してくれる、画期的なアイテムだと思います。実は私自身、これまで鍋でパンを焼いたことがなかったので最初は半信半疑でしたが、一度焼いてみて、「ブレッド・オーブン」はまさに「パン焼きに特化した鍋」だと実感することができました。大きなフタの中でパン生地から蒸発した蒸気と熱が効率よく対流する「ドームエフェクト」のおかげで、焼成中、理想的なスチーム状態が保たれていますし、鍋のフタがしっかり閉まるので、オーブンを開け閉めしてもフタの内部の温度が下がってしまう心配もありません。焼きムラもなく、スチームオーブンで焼いたかのような、きれいなクープ(切れ込み)もでき、期待以上の焼き上がりでした。

 

―使い勝手については、どうでしたか?


大野:最初は正直言って「うわ、大きいな」と思ったのですが、実際に使ってみると、鍋自体が浅いので、パン生地の出し入れがしやすく、使いやすいですね。鍋は普通のスキレットのように使えるので、パン焼きだけでなく、野菜や肉のローストなどの調理にも重宝しています。フタのスチーム効果を活かして、クリスマスには丸鶏のローストを作ってみようと思っています。おしゃれでインパクトのあるデザインなので、おもてなしの席でテーブルサーブしたら、ゲストから歓声があがりそう!普通の料理もこの鍋で作るだけで「ごちそう感」がぐっとアップするような気がしますね。今回は、「ブレッド・オーブン」のドームエフェクトが実感できる定番のブール(フランスパン)と、フレンチトースト、2つのレシピをご紹介します。

バゲットは前日に生地を作って冷蔵庫で10~12時間低温発酵させておけば、翌朝、すぐに焼くことができて便利です。焼きたてパンの香りに包まれる幸せな朝の時間を、ぜひお楽しみくださいね。

パン職人 大野有里奈さん直伝「ブレッド・オーブン おすすめレシピ」

今回ご紹介するレシピ

  • ブール (フランスパン)
  • フレンチトースト

RECIPE / ブール (フランスパン)

【パン職人大野さんのコメント】

フランス語で「丸い」を意味するブール。はじめての方でも本格的なフランスパンが作れるレシピです。レシピのポイントは生地を冷蔵庫で一晩、長時間発酵させること。長時間発酵によって生地の熟成が進み、小麦のうま味が最大限に引き出されます。また、生地をこねる必要がなくなるので、パン作り初心者でもクラスト(外側)は薄くパリっと、クラム (内側)は柔らかくて歯切れのよい食感の、本格的なフランスパンを焼き上げることができます。

材料

[4人分/シグニチャー ブレッド・オーブン 24cm]



(A)

準強力粉 400g

モルトパウダー* 1g

塩 8g

 

水(28℃) 284ml

インスタントドライイースト 1.6g

※モルトパウダーは、ユーロモルト 1g または 砂糖 10gでも代用できます。

作り方

〈下準備〉

  • フタつきの容器に(A)を混ぜておく。
  • インスタントドライイーストを水に溶かしておく。
  • オーブンは天板を入れ、250℃に予熱する。

 

  1. (A)にインスタントドライイーストを溶かした水を加え、粉気がなくなるまで混ぜる。※均等に混ぜやすいため、タッパー(3Lサイズ) を使用することをおすすめします。ない場合はボールなどでも可。※混ぜる時は、手でもスパチュラでもよい。
  2. 生地を容器の中心に寄せてフタをし、室温(約27℃)で60分ほど一次発酵させる。
  3. カードまたはスパチュラで生地を下から折りたたむように一周しガス抜きをして、裏返す。
  4. フタをし、5~10℃の冷蔵庫で12~18時間発酵させる。 発酵の目安は、生地を伸ばして薄い膜状になれば完了。
  5. 冷蔵庫から生地を取り出し、室内(約27℃前後)で60分復温させる。※生地の温度が20℃前後になるまで復温させる。
  6. 生地に打ち粉(分量外)を多めにふり、容器から取り出し、台の上に乗せ軽く丸めてから生地を20分休ませる。
  7. 丸く成形し、ボールに入れ乾いた布巾をかぶせて、室温(約27℃前後)で20分ほど二次発酵させる。
  8. 鍋に油(分量外)をひき生地を入れ、フタをして250℃に予熱したオーブンで20分焼く。フタを外し230℃でさらに15分ほど焼く。


●おいしく作るポイント

ふっくらしたクラム(内側)に仕上げるには、パン生地を優しく成形してください。生地に力をかけて成形するとガスが抜けてしまい、膨らみにくくなります。

 

RECIPE / フレンチトースト

【パン職人 大野さんからのコメント】

家族での朝ごはんや大人数で集まる時などにぴったりのフレンチトーストです。「ブレッド・オーブン」で焼くことで外側カリっと中はふんわり食感に仕上がります。トッピングには好きな具材を好きなだけのせてお召し上がりください。

材料

パン

※今回「シグニチャー ブレット・オーブン」で焼いたブールを1個使用。


〈アパレイユ(漬け汁)〉

卵 2個

牛乳 400ml

砂糖 40g

バニラビーンズ 1本※

※バニラビーンズがない場合、バニラエッセンス少々で代用可。

 

グラニュー糖 大さじ1

バター 5g


ベリー類 適量

生クリーム 適量

ミント 適宜

作り方

〈下準備〉     

  • アパレイユの材料を混ぜておく。


  1.  焼き上がったパン(ブール)を30分ほど冷ましたら、5cm角(二口分程度)にカットする。
  2. アパレイユにカットしたパンを片面3分ずつ漬ける。※長く漬けてしまうと生地が崩れてしまいます。
  3. サラダ油(分量外)を引いた鍋にバターをのせ、グラニュー糖をまんべんなく散らし、その上に2.を置く。
  4. フタをし中火で5分ほど、フタを外しパンを裏返して中火でさらに5分ほど焼く。表面がキャラメリゼされ焼き色がついたら完成。
  5. 器に盛り付け、ベリー類、生クリーム、ミントなど、お好きな具材をトッピングする。


●おいしく作るポイント

アパレイユに長くパンを漬けてしまうと、パンを焼いたときに崩れてしまうので要注意。おいしく仕上げるには、パン生地を片面3分以上、漬け込まないようにしてください。表面がキャラメリゼされるまでじっくり焼いてください。

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